近鉄21000系

解説

編集日:2015年8月19日

近鉄は難波線、大阪線、名古屋線を経由して大阪と名古屋という大都市を結ぶことが可能であり、かねてから名阪特急として東海道本線や東海道新幹線との熾烈な旅客獲得競争を繰り広げていた。
そんな中、名阪間の競争力をさらに高めるべく登場したのがこの21000系である。

事前のマーケティング・リサーチの結果、名阪特急には一人でビジネス利用する乗客が多いことがわかり、広い居住空間でゆったり過ごせるビジネス特急として設計された。
秘密裏に設計・開発が行われ、車両納入のわずか1ヶ月前にプレスリリースが出され、名阪間をノンストップで結ぶ近鉄特急「アーバンライナー」として1988年に鮮烈なデビューを果たした。
後述する大胆なデザインと快適な居住空間を実現させた功績から1989年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞している。

名阪間での速達性向上のため全ての台車にモーターを搭載した全M車構成で、最高速度は130km/h。伊勢と伊賀を隔てる青山峠の勾配区間を110km/hで登ることができる性能を持つ。

外観は従来の近鉄特急車と大きく異なり、クリスタルホワイトにフレッシュオレンジの帯を巻いた爽やかな印象を持つ外観となった。
先頭形状はスピード感を表現するため流線型の形状になっているが、先がくさび形になっているため他の流線型の列車とは異なる印象を与える。
この前面デザインはのちに登場する23000系「伊勢志摩ライナー」、26000系「さくらライナー」、21020系「アーバンライナーNext」といった近鉄の名だたる看板特急に流用されている。

6両編成中名古屋方の2両がグリーン車にあたるデラックスシートとなっており、1+2列構成、横幅485mm、シートピッチ1050mmと余裕のある空間を実現している。さらに、靴を脱いでくつろぐことができる足置き台を搭載している。
レギュラーシートは2+2列となり横幅は狭くなるがシートピッチはデラックスシートと同じ1050mmで足置き台も搭載している。

2003年には車内空間の改善とバリアフリー化を主にリニューアルが行われた。21020系「アーバンライナーNext」の客室設備をフィードバックして21020系と同等のサービス水準に合わせ、愛称を「アーバンライナーplus」に変え再デビューした。
これに伴い2号車はレギュラーシート設備に変更され、デラックスシートは名古屋側先頭車である1号車のみとなった。

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更新日:2015年8月19日
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管理人の編集後記

更新日:2015年8月19日

多分近鉄の中で一番お世話になっている列車だと思います。名古屋から大阪に向かう時は基本的にアーバンライナー利用ですし、よくこの列車に乗ります。
デラックスシートも500円プラスなだけなのでよく利用しています。歩き疲れた時なんかは靴を脱いでゆったりできるのですごくいいですね。

そんなこんなでよく乗るアーバンライナーですが、写真はあまり撮影できていません。近鉄自体あまり撮影できていないのと、自分が把握している撮影地がアーバンライナー自体通らない鳥羽近辺なのでなかなか難しいところ。
この機会にもっと色々な撮影地を知っておきたいなと思います。