京阪8000系

解説
三条~出町柳間を結ぶ京阪本線の実質的な延長線である鴨東線の開業に伴い、1989年に増備された特急用車両。紆余曲折を経てダブルデッカー1両を含む8両編成10本が在籍している。エレガント・サルーンの愛称がある。
当初は本数の増加分として7両編成1本と、輸送力増強のための3000系に組み込む中間車5両が製造された。以降、3000系を置き換える形で1990年から1993年にかけて増備されていった。
なお、この時にはダブルデッカーはまだなく、1997年より8両編成に増備された時の増備車として新たに製造され、組み込まれて今の形になっている。
登場当初は3000系と同様、上が黄色、下が赤色のツートンカラーで、座席は全て転換クロスシート。吊り革は設置されておらずダブルデッカー車の存在感も相まって、着席に重きを置いた列車であり、特別料金の必要ない列車としては最高クラスの居住性と評価されることも多い。
2010年から2012年にかけては内外装の大幅なリニューアルが行われ、外観は下が黄色、上が赤色に逆転されたほか、中央に金色の帯があしらわれた塗装に変更された。
内装リニューアルについては、黒を基調とした座席モケットの張替えやドア部の案内ディスプレイ設置などのが行われた他、車端部についてはロングシート化が行われ吊り革が設置された。特に車端部のロングシートに関しては背もたれがクロスシート並みの高さまで用意されており、従来のオール転換クロスシートを遜色のない居住性が得られる工夫を行っている。
現在は特急としての運用がメインである。しかしながら、2扉車のため混雑する朝夕ラッシュ時には3扉車の新3000系にその役割を譲っている。
しかしながら、その高い居住性から観光特急としては申し分ない実力を発揮しており、2012年からは行楽シーズンの土休日限定で運行される大阪京橋~京都七条間ノンストップ快速特急「洛楽」に充当されている。
2016年3月19日のダイヤ改正からは、その「洛楽」が土休日の朝夕限定ではあるが定期列車に格上げされ、今後の更なる活躍が期待されている。
さらに、2017年上半期を目処に確実に着席できる環境を用意するため、「京阪特急プレミアムカー(仮称)」構想を発表。当系列の8両のうち6号車を大規模改造し、2+1シートの有料座席指定車として導入される予定である。
その他の写真
管理人の編集後記
「テレビカー」の伝統を引き継ぐ京阪の由緒正しき特急車。現在はテレビは撤去されましたが、ダブルデッカーを持つその居住性の高さは眼を見張るものがあります。
滋賀県出身なだけあり、普段からJRの新快速しか乗る機会がなかったのでCMでちょくちょく見るぐらいしか経験がありませんでしたが、実際に乗った時の感動はすごかったです。
解説のほうでも「特別料金なしで乗れる列車としては最高クラス」と言いましたが、「コレ、車内でお金取られないよね!?」と心配になるぐらい豪華だったことを覚えています。
有料制のプレミアムカーの方もすごく気になっています。今後の活躍が楽しみになる列車の一つですね。