国鉄 117系

解説

編集日:2014年6月28日

京阪神地区の新快速として導入されていた153系に変わる新たな新快速専用列車として1963年に登場。並行私鉄ですでに導入されていた転換クロスシートを採用し、居住性を大幅に高めた。

当時の国鉄としては車両の統一化、標準化を図っていた中で外観、内装ともに逸脱した車両であった。
外観は当時の近郊形列車にはない流線型の前面形状、左右2灯の前照灯、そしてクリーム色に関西急電時代に採用していたマルーン色の帯を配したデザインとなっている。
座席は転換クロスシートでつり革は一切無く、車両端の化粧板を木目調に仕上げ高級感を演出し、車内の居住性を高めた。

登場後は東海道・山陽本線京阪神地区の新快速に投入され、153系を全て置き換えた。また1982年より名古屋地区の快速に投入されている。
国鉄分割民営化後はJR西日本に144両、JR東海に72両が承継され、221系223系や311系、313系といった後継車両が登場していくに連れて両社で全く異なる転用をされていく。

JR東海では東海道線の中でも比較的ローカル区間(米原~大垣)での普通列車運用が主になるものの、夕ラッシュ時には晩年まで金山始発米原行きの新快速として運用されるなど、本線系統での活躍があった。
また、1編成に対して内装を改装しジョイフルトレイン化した「トレイン117」に改造。371系の特急「あさぎり」引退に伴う観光列車化へのつなぎとして製作されたと思われ、僅か3年間のみの運用となっている。JR東海からはこの「トレイン117」を最後に2013年に全車が廃車されている。

JR西日本では岡山地区や下関地区への転用、関西圏の支線区への転用がなされ、その地域によって大きく塗装を変えるといった変更が施され、現在も健在である。

保存車両として、リニア・鉄道館に117系3両が登場当初の塗装、JR東海仕様の新快速幕で展示されている。車内は休憩スペースとして開放されている。

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更新日:2014年6月28日
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管理人の編集後記

更新日:2014年6月28日

岐阜県に住んでいた頃、帰省の度に大垣~米原間で乗っていた思い出があります。それだけにとても愛着のある車両です。冬とかだとフカフカした座席に座席下のヒーターがあったかくて本当に心地いいんですよ・・・。
リニア・鉄道館で展示されている117系の座席に座る度にその時の思い出がよみがえってきます。

一方、JR西日本の117系は全く乗ったことがないんですが、支線区で運用される117系を京都駅でよく見ます。最近は抹茶色に塗られ、見る度うーん・・・と唸りたくなりますね。
今後は是非西日本で運用されている117系の全塗装をフルコンプしたいです。