Episode 1 裏話

みなさんこんにちは、eXpresserです。
ニコ鉄PVコンテストが終わり気がつけばもう11月、プロモーションビデオの投稿からだいぶ期間が経ってしまいました。
そんな中でも応援して下さる方々が居てくれることを本当に嬉しく思っております。

さて、今回投稿したA9姫海島新シリーズの第1弾、Episode 1 “予約制のツアー急行”は、A9化によって初登場したツアー急行「A-Train」をメインに扱っています。

今回も気合入れて楽しく制作しましたので、まだの方は是非ご覧ください♪

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ツアー急行「A-Train」とは?

ツアー急行A-Train

動画で一通りの流れは感じてもらえたと思うのですが、説明不足な部分もあると思うのでここで補足説明を兼ねて、一旦ツアー急行「A-Train」の説明をさせていただきます。

ツアー急行「A-Train」は従来の「移動する手段」が目的ではなく、「移動する過程を楽しむこと」を目的とした列車です。
このツアー急行「A-Train」のモデルはもちろんJR九州の特急「A列車で行こう」。熊本~三角間を約40分で結ぶ短い特急列車です。
実際に乗車した時に短い乗車時間ながらもすごく楽しませてもらえた思い出があり、是非この列車をA9で輝かせたいと感じ、姫海に取り入れました。

現実の鉄道でも、JR九州のD&S列車をはじめとして数々の観光列車が登場しています。
しかしながら、個人的にはそこにA列車で行こう9らしいオリジナル要素を入れたいと思いました。 現実の観光列車を真似するのではなく、「せっかく自分でなんでもできるゲームの世界なんだから、収益性とか度外視してぶっ飛んだ観光列車を作ろう」と思ったわけです。
その結果思い浮かんだのが、列車の外で楽しむ行程を組み込むことでした。
列車自体をツアーコースの主軸として置き、途中駅で降りたり長時間停車したりすることで、沿線を楽しむことにオリジナリティーを見出しました。

この列車のコンセプトはズバリ「大人の空間」、そして「お酒」
そこから思いついたのが「蒸留所見学」「景観地での食事」でした。
特にウイスキーが大好きなので蒸留所見学は是非やりたいと思っていました。

簡単に行程をご説明すると、姫海白石駅を13時過ぎに出発し、吉良内部で2時間程度かけて蒸留所見学、漉捨で40分景観を楽しみながら食事をし、19時前に終点の姫南に到着するというコースです。
見学時間があるにせよ、5時間飲みっぱなしできるのでベロンベロンになっちゃいますねw

一応、長時間停車する吉良内部及び漉捨は運転停車扱いで、途中下車及び乗車は不可能です。 しかしながら、途中の姫ヶ丘に停車することで、全区間のツアーのみではなく前半のツアーまたは後半のツアーといったように選択機会を乗客に与えています。
後半のツアーで用意する軽食は姫ヶ丘で乗客の乗降と同時に車両に搬入します(という想像です)。

目指したのは「没入感」

この列車はとにかく「移動する過程を楽しむこと」を目的とした、今までとは一線を画した列車です。 ですので、その特徴を最大限生かすべく、「視聴者が実際にツアーに参加しているように感じさせること」をとにかく心がけました。
結果的に「いい旅だった」などというコメントを頂けたことがとっても嬉しいです。

そういった没入感を考え工夫した点を箇条書きにすると、

  • ホーム上で「Take The 'A' Train」が流れているような演出
  • セルフ車掌のセリフ回し
  • 乾杯ボイス
  • 蒸留所見学での写真
  • 漉捨駅での車内からの展望シーン
  • オシャレなジャズ系楽曲でまとめた選曲
ぐらいですね。もちろんこの他にも工夫した所はありますが、没入感のための工夫ではなく、小ネタとしての工夫点です。同様に箇条書きにすると、
  • 信号切り替え
  • スイッチバックでの後面展望
ぐらいでしょうか。

次の章からは順番に説明していきますね。

ホーム上での演出

姫海白石駅にて 吉良内部駅にて

JR九州の特急「A列車で行こう」は列車が熊本駅や三角駅に入線するときに、ホーム上にジャズナンバーである「Take The 'A' Train」が流れる演出が行われます。
実際にその光景を見てホーム上の雰囲気がガラッと変わり、個人的にすごくワクワクしたことを覚えているので、是非コレは再現したいと思い導入してみました。

ホーム上で流れているよう演出するため、Audacityというサウンド編集ソフトでリバーブを掛け、サンプリング周波数を下げて敢えて劣化させて放送音声っぽくしています。
あと、ホーム側である右側に若干音を振って、あたかもホーム上のスピーカーで流していると感じられるような工夫をしていたりします。

また、動画は冒頭部分が本当に大事で、そこでどれだけしっかり没入感を演出できるかが重要です。そのため特に姫海白石駅での入線シーンはかなり気を遣いました。
冒頭部分では、A9の風景動画は大体空撮から入り、そこから列車にクローズアップするのがメジャーです。
僕も当初はそれで検討していましたが、最初からホーム上に居て「A-Train」が入線してくるのを心待ちにしたほうがより没入感が出ると思い、敢えてカメラをあまり動かさないカットを撮影しています。

セルフ車掌のセリフ回し・乾杯ボイス

今回は視覚的な要素だけではなく聴覚的な要素にも工夫を入れて、より没入感を惹き立てるために、自分で動画に声をアテるということをやってみました。
姫海白石駅での駅員のアナウンスと車掌のアナウンスは自分で録音しています。一応駅員のアナウンスの方は別人に見せるためにサウンド編集ソフトで声を低くしています。
車掌ボイスはTelephoneプリセットでイコライザをかけてからサンプリング周波数を下げて劣化させて放送音声っぽくしています。

セルフ車掌を入れるだけではなく、「観光列車らしいセリフ回し」にも心がけました。
出発した時に乾杯の音頭をとったり、終点の到着の時にこれからの旅を祈願するセリフを入れたりするなど、普段の営業列車ではやらないようなセリフを敢えて入れています。

特に乾杯ボイスはお酒を楽しむ列車なら絶対入れたい!と思って入れました。乗客同士の挨拶みたいなものにもなりますし、旅の楽しさをより高める上では必要不可欠だと感じました。
乾杯ボイスはニコ鉄超会議室という名前のSkype部屋で声をおかけし、帝國さん、あんがすさん、恵原ケイナさん、HISさん、うるふさん、朱鷺工房さん、菊池令司さん、Mr.Pさんにご協力頂きました。
改めてこの場で御礼申し上げます。皆さんの乾杯ボイスのお陰でより臨場感が出たと感じています。

蒸留所見学での写真

蒸留所見学

この蒸留所見学シーンを演出するために、実は6月中旬にサントリー山崎蒸留所を見学しに行きました
冒頭でも述べましたがウイスキー大好きで元からとても見学したかった場所だったので、本当に楽しかったです。

動画ではいくつかの写真を出してからコルクボードの上で撮影した写真を広げたような演出をしています。この演出は実は相当迷った挙句の苦肉の策でした。
当初は蒸留所見学をしているような感じで色々と説明をしていったほうがいいと感じたのですが、尺のバランス的に長くなってしまいがちだったことと、ここで文字要素を多くしてしまうことに違和感を覚えたことから断念。
その結果、ジングルのような感じで30秒程度だけ時間を使い、簡単に撮影した写真を流すような演出に至りました。

普段やらないことなので当然ですがなかなかアイデアが出ず、今でももっといい見せ方があったのではないかと感じています。しかしながらその中でも画像のように写真を並べたカットを用意できたことは良かったなと思っています。

ちなみに、この写真を並べたようなカットはAviUtlのグループ制御でx軸回転とz軸回転を組み合わせて使っています。こういう簡単な演出にカメラ制御はむしろ必要なく、やってしまうと逆に画像の重なった所でムラができてしまうので逆効果だと思っています。
写真にはちょっとだけシャドーをかけて、本当に現像したような写真の感じを出しました。

また、この蒸溜所シーンでは全体的にオシャレ感を演出するためコントラストを上げて、周辺光量を敢えて落とすような演出をグラデーションで施してしています。

漉捨駅での車内からの展望シーン

漉捨駅

続いての工夫点は漉捨駅にて車内から姫ヶ丘の街並みを展望するシーン。
没入感を惹き立てるためには、車内から展望しているような演出は必要不可欠だと思ってワンシーンだけ導入しました。

特急「A列車で行こう」に実際に乗車している時に偶然記録写真として撮影していた座席の写真を使って演出してみました。
しかしながら元の写真を見ると、動画で出している映像よりも高い目線で撮影しているように見えますね。
この目線を低くして風景を眺めているよう演出するために、バニシングポイントというAviUtlのスクリプトを初めて使いました。
このスクリプトは静止画を3D化する優れもの。以前から「なんだこれすげぇ!」と思いながらダウンロードはしていましたが今まで使う機会がありませんでした。今回初めて使ってそのすごさを改めて感じました。

ちなみにこのシーンでもオシャレ感を出すために、周辺光量を敢えて落とすような演出をグラデーションで施してしています。

オシャレなジャズ系楽曲でまとめた選曲

今回動画で使わせて頂いた楽曲はまず「Take The 'A' Train」が決まっていたのでジャズ系で全てまとめました。
2曲目からA列車の風景動画でメジャーなハウス系にするのも考えましたが、せっかくウォームな感じにした雰囲気が一気に逆方向であるクールな感じに傾いてしまうのでやめておくことにしました。

ジャズ系と言っても多種多様。ブラスバンドのような賑やかな楽曲もあれば、ジャズバーで流れるような落ち着いた楽曲もあります。
特に今回のツアー急行「A-Train」は始発駅を出発するのが午後1時、終着駅に到着するのが午後6時と、かなり運行時間が長い列車なので空の明るさに応じて曲の雰囲気も変えていかないといけないと思いました。

Take The 'A' Train最初は「Take The 'A' Train」で旅の始まりの賑やかさを演出。

Flying To The Sky蒸留所見学が終わり、ちょっと落ち着いてきた時にSOUNDORBISさん「Flying To The Sky」でオシャレな雰囲気に。

Cocktail Glass姫ヶ丘を発車してからはだんだん日が暮れていくため、DOVA-SYNDROMEで公開されているMATSUさんの「Cocktail Glass」でよりゆったりした雰囲気に。

MACHIKADO NO ONNAそして最後、すっかり日も暮れて、あとは姫南駅に向かうのみとなる時に、A21Cの名曲「街角の女」を流して旅が終わる寂しさを演出しました。

制作時は完全に御託は抜きで「合うか合わないか」で判断していたのですが、改めて思うとその選曲にもちゃんと理由があるのだなと思っていたりします。
特に最後の「街角の女」は、A列車をやってる人なら皆が知っているような曲で、なおかつ夜の風景にピッタリで、ちょっぴり切ない感じとかも旅が終わる寂しさをしっかりと表現できていて、これ以上ないというぐらいピッタリだったと思います。

信号切り替え

信号切り替え前 信号切り替え後

案の定長くなってまいりましたがここからは小ネタです。

A列車で行こう9がVersion 4になってから、信号を新たに設置できるようになりました。姫海でもA9v4化に伴い設置しています。
この列車では特急「ゆうなみ」との入換のため、后宮温泉駅と刈田駅にて運転停車を行います。そこで、「さすがに赤信号のままで発車させるのはダメだろう」と感じ、信号を変える演出をやってみました。

A9のゲーム内では信号は変えられないため、赤信号のカットと青信号のカットの2本撮影して、動画編集で信号切り替えを演出しています。ハッキリ言ってめんどくさいですw
さらに、ただ単に切り貼りしただけでは1フレームでパッと切り替わってしまうため、黒い図形オブジェクトを用意してマスキングし、じわっと変わるようにしてみました。

ちなみに、変わった信号は5箇所あります。運転停車とスイッチバックを行う后宮温泉、刈田、漉捨の出発信号機の3箇所はわかりやすいですが、あと2箇所、変えている信号があるので是非探してみてください。

スイッチバック駅での後面展望

バック1 バック2 バック3

漉捨駅での長時間停車後、発車した「A-Train」は後ろ向きに進みます。
A9では残念ながら後面展望の演出ができないので、一旦逆方向の前面展望で撮影したあと、動画編集で逆再生しています。

実はこのシーン、正直言うと導入する予定がなかったものだったのですが、ニコ鉄PVコンテストで共同主催をやった相棒の斜め45℃さんがニコ鉄大津支社の最新回を投稿された時に、今回やったスイッチバックの演出をやっていて、思った以上に反響があったので急遽こちらでも導入したものになっています。

「A-Train」の方では夕暮れ時で空の色が変わりやすい時間帯だったせいで逆再生した時にだんだん日が昇っていくという違和感があったため、この時だけ3倍速ダイヤにして撮影しています。

無理矢理ですがまとめ!


最後までご覧頂いた方本当にありがとうございます。
今回も工夫点いっぱいの動画でした。編集作業は大変でしたが、編集していて本当に楽しかった動画になっています。
改めて是非ご視聴、コメントよろしくお願いいたします!